ヨタばなし★スターメンバー バックナンバー:vol.42
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●色のはなし
地球はなぜ青いのか。「みんな少しだけ哀しいから」
まぬけな返事をしてはいかん。もっとアカデミックにいこうぜ、アカデミックに。
空はなぜ青いのか。「地球の青がお空に溶けている」
何を言うか。あほな返事をしていてはいかんのだよ。アカデミックにいこうってば。
海はなぜ青いのか。「神様が青いインクを・・・」
ぶつぞ。
ところで、虹の7色をちゃんと数えた人はいるかい?
ん〜、まぁだいたい5色くらい?くっきりしていないのでうまく数えられないねぇ。
ちなみに7色(紫、藍色、青、緑、黄色、橙、赤)だと思っているのは日本、フランス、韓国、ベラルーシ、オランダのみなさん。アメリカとイギリスでは6色(紫、青、緑、黄色、橙、赤)。なんでも細かそうなドイツ人にとってはなぜか意外な5色(紫、青、緑、黄色、赤)。中国でも5色。あんまり虹が出ないのか、出ても寒く
て眺めていられないのか、ロシア人には4色(青、緑、黄色、橙)。2色と数える民族もいれば、9色という人たちもいて、数え方はさまざまである。日本だって沖縄に行ってしまえば2色。もちろんここに書いたことは、色の識別能力のことじゃなくてよ。言語と文化の違いである。日本人だって虹は7色と繊細なことを言っておいて太陽を見たこともないような真っ赤に描いたりする。その昔 赤=明るい という意味だったから、ついつい赤色にしてしまうだけなんだけど。
ついでに言うと、中国文化圏だった日本と韓国ではかつて5色だったけれど、今は7色。感化されやすい民族性が出ているようでおもしろい。日本人も相当アメリカナイズされているし、韓国人の子供
の肥満度もアメリカに追いつきそうである。
昔々ニュートンという頭のいいおじさんが、7色だ、と言ったので、まぁがんばって数えればそんなもんなんでしょう。
ちなみに、紫というのは本来、赤と青を混ぜて作った色のこと。虹の色は混ぜ物ではないので紫は間違いで、正しくは菫。しかしこんな字はどうせ読めもしないので、紫と書いておこうね。
僕は、虹色の中だと青が好き。地球に住む僕らにとってはたぶん少し特別な色。木々の緑よりももっとたくさんある色だからね。
色は無限にあるので混乱しないように、『マンセルカラーチャート』とか『JIS標準色票』とかいうやつで数値化しているけど、僕は本当は直感的で風情豊かな日本の色名が好きだな。伽羅(きゃら)と利休(りきゅう)、鴇色(ときいろ)と紅梅(こうばい)、向日葵(ひまわり)と鬱金(うこん)、青磁(せいじ)と青竹(あおた
け)、深緋(ふかひ)と栗梅(くりうめ)、なんかキレイだよね。微妙に違う色にももちろんちゃんと名前がついている。いいねぇ。そういえば、茶色はお茶の色のはずなのに、なんで緑色じゃないんだろう。ありゃ紅茶か、ウーロン茶か。答えはもちろん緑茶だが、染色のために煮出した色のことじゃないかな。
さて、色とは何か。
本当は、この世界に色はない。
代わりにあるのは光すなわち電磁波である、と、マクスウェルというこれまた頭のいいおじさんが言ってしまったのだが、まるでおもしろく聞こえない。電波、マイクロ波、赤外線、可視光、紫外線、X線といろいろあるが、今日は人間の目に見える可視光のことだけを考えよう。
虹の話にもどるが、太陽の光は7色の虹色、どういうことか。頭のいいおじさんが言うことを理解しようという話なので、頭がふつーのこっちは大変だ。
ガラスでできた三角柱に光を当てると、当たっている光は白い光なのに、反射している部分は虹色になって広がっている、あの現象か。プリズム効果というやつ。もともと光には虹色全部が含まれていて、混ざっていれば白く(無色に)見え、分ければ虹色というわけ。虹の場合は大気中のたくさんの水滴がプリズムの役目をしていて、CDの場合は表面の細かいすじがプリズムになってるんだよね。
虹の7色について整理してみると、波長が短い順に、紫、藍色、青、緑、黄色、橙、赤となる。波長って何?という問いは超キケン。光は波なのか粒子なのかという、感覚的に理解不能な命題に取り組まなければならなくなる。知識としてはわかっても、さっぱりイメージがわかないんだよね、なにしろこっちは頭がふつーだから。だから、ちょこちょこと短い足で進む光が波長の短い光、大股でのしのし進む光は波長の長い光、そんな感じの理解でいいんじゃないか。紫は歩幅が短くて、赤は大股。自分の歩幅より大きい物はまたげないので、当然、短足で歩幅が短い光ほど障害物につまずきやすい。光は、何の邪魔もなければ遠くまで直進するけれど、物にぶつ
かると反射する。反射する時は、波長が短い色ほど鋭く曲がり乱反射しやすい。つまり、空気とか塵とか、障害物がたくさんあると、紫とか青い光は散乱しやすく直進する量が減ってしまうので遠くまで届かないけど、赤い光は散乱しにくいから遠くまで届く、ということになるんだよね。
地球はなぜ青いか。
空はなぜ青いか。
太陽の光は、空気や塵の中を通って僕らの目に届いている。紫や青い光が散乱した状態だから、太陽自身は7色から紫や青を減らした色、つまり黄色味を帯びて見える。まわりの空では、紫や青い光が散乱しているから空は青紫色。短足くらべなら紫の勝ちだから空は紫に見えそうなものだけど、僕らの目の感度が、紫を見るのは苦手
で青のが得意にできている。だから結局は青空なのである。
乱反射というのはあっちゃこっちゃに跳ね返るということなので、地表側、宇宙側ともに跳ね返っているわけで、宇宙から地球を見れば青い惑星、地表から空を見上げれば青空、というわけさ。
ならば、夕焼け空はなんなんだ。空が青いの地球が青いのと言ったくせに矛盾しているではないのよ。
夕日の場合は、地平線の近くから、空気の層を斜めに通って光が届く。よりたくさんの空気を通過しなければならない。紫や青は反射を繰り返して、地表にたどり着く頃にはずいぶん減ってしまう。だから、勝ち残って地表に届く赤や橙の色が、まわりの雲や塵に反射して空が赤く焼けるのである。
ついでに雲はどうかというと、雲の場合は粒がでかいから、光があたると7色全部が乱反射して白く見えている。
では次に、海はなぜ青いか。この問題も、水が青い光を反射するところまでは空の話と似ている。違うのは、水が残りの色を吸収するという点。海の深いところに潜れば潜るほど、赤から順に橙、黄色と、光が減ってきて徐々に色を失っていくことになる。赤い色が見えなくなり、また潜るとオレンジ色が、もっと潜ると黄色が見えなくなってしまう。空気中で赤い光が遠くまで届くのとは逆である。手で水をすくっても青くは見えないけれど、それは量が少ないから。深い海では青い光だけがとてつもない乱反射をしていて青く見せている。深い海で、最後まで残る色は青なのである。
僕らの目は、真っ暗闇では何も見ることができない。物が見えるのは光が目に届くから。つまり僕らの目は光を受容するだけの器官であって、積極的に物を見たりはしないのである。
もっと言えば、僕らの目は、光すら見えてない。暗い部屋の壁を懐中電灯で照らすと、壁と、光の通り道を舞っているホコリが見える。
光そのものは見えない。そこに反射する物があって初めて物が見えるのさ。
僕らが見ている世界は反射そのもの。その波長を脳が分析して、これは大股だ、ということがわかって僕らに赤だと思わせるだけである。虹色全部が混ざって一見白く見える光が世界を照らし、そのうちの赤い光だけを跳ね返して残りの6色は跳ね返さない物、それが赤く見える。赤い色があるわけではない。
月から見上げる空は、昼間でも真っ黒。月には空気がないからね。
太陽の光を反射するものがない宇宙には青空がない。
地球に住む僕らだけが特別に見ている青空。たくさんある色なのにね。
2005.02.01
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