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●引越よもやまばなし
というわけで、12月18日に引越を決行したボク達。
当初は全部自分たちで行う予定だったのだが、時間的な問題とか、まぁいろいろあって引越業者におまかせすることにした。引越業者のおにーちゃん達の活躍ぶりは「さすが!」のひとこと。ボク達だけでやったんじゃ、日が暮れて夜中んなって朝んなっておなかすいちゃう。
引越といえば、ボクの知り合いの大阪人夫婦は某有名引越業者4社に見積もりを出させて、「ここより安くせんとおまえとこは使われへんでー」とか言ったらしくて、50万円の引越代を24万円に値切っちゃったという。彼らこそさらに「さっすがぁ!」だ。
移動の後はとりあえず、でっかいものをどこに置こうか考えて配置していこうとするんだけど、段ボールだらけで足の踏み場もない部屋の、いったい何処に何が配置が出来ようか!
結局ほとんどの段ボール箱をベランダに出し、夕闇せまる12月の寒空の下、ベランダと部屋の中を往復するという超過酷作業が続いた。窓全開で作業してりゃ寒さが身にしみる。もう心は演歌の花道まっしぐらなのだ。冬の引越なんかもうごめんだ!1週間後、ようやく人間が住む部屋らしくなった。
次に必要なのが諸手続。
市役所にも行かなくちゃならないし、税務署への届け出もしなくちゃならない。
演歌の花道みたいなばかばかしい行動ばかりじゃわけじゃない。かしこかったのがこれ。引っ越す前に買っておいた柏市の地図大活躍!ざまーみろい。とりあえず、タウンページがあれば、地図をみながらどこに何があるかを知ることができる。よーし、目指すはNTTだ!
で、NTTに到着。
受付のお姉さんに愛想を振りまきながら、「タウンページちょうだい」と一言。お姉さんは「少々お待ちください」と言って席を立った。特に急いでいたわけでもないので、NTTに設置してある端末も触ってみることにした。ISDN64でつながった端末がたいてい2台は置いてある。ここは「インターネットを始めてみようかと思うのですが...」とか「ISDN回線ってどれくらい速いのかな?」とかいう、いわば【最先端技術】をお客さんが体験する場所のはず。で、1台は必ずと言っていいほど具合が悪くなっているか、悪くなりかかっている。
さてさて、この時ボクは、お姉さんを待つ間、あたりを眺めていた。
お客さんは2人。1人は電話料金を支払いに来たお兄ちゃん(シェゲナベイベー風)。もう1人は電話機の故障で困っているおじさん。おじさんはもう長いことここにいるらしいことが彼の前におかれた2つのコーヒーカップからわかる。お姉さんに「端末さわっていい?」とお許しをもらったボクが一番はじめに見た画面は【なんちゃらかんちゃらの保護エラーです】とかいう画面。「あっそ、オマエの言ってることわかんねーよ!」とモニタに挨拶して[OK]を押す。
いつも思うことなのだが、Windowsというのはなぜにあれほどまでにわけのわからんことを表示するのだろう?世界シェアNo.1のOSということは、パソコンに詳しくない人も大勢使っているということである。詳しくない人に、レジストリがどーのこーの言ったところで豚に真珠、猫に小判、のれんに腕押し、桃栗3年柿8年えーと、なんだっけ。Windowsは、サディスティックなOSだ。
とりあえず、webページを見ることにしたボクは、また驚いた。
この端末、常時接続ではないのだ。
しかも、ログインは全て手入力。
パスワードを聞かれてもおれさまは知らん。
第一、NTTの目下の目玉商品は常時接続のフレッツ・ISDNではなかったのか?大目玉でないにしても、【最先端技術を体験するコーナー】なのだからこれくらいはしていないとマズくないか?そんなことを考えていたら、お姉さんがタウンページを持ってボクの所にやってきた。
ボクは、受け取りながら、「この端末、調子悪いみたい」
「えっ!! そ、そ、そうなんですか??」
ちょっと尋常ではないあわてぶり。
なにもそんなに怖がらなくてもいいだろー。ぶー、やなかんじ。
「今は、パスワード聞いてくるだけなんだけどね」
「あ、そうですか!」
これなら自分でもなんとか対処できると思ったのか、お姉さんの表情が和らいだ。
「あー、けど、その前はナントカ保護エラーとか出てたみたい」
「えっー!!!!!!」
こりゃ相当にやばい。お姉さん、パニクってる。キレイなお姉さんがマジでパニクってるのはあんまり美しくない。なんとかせねば。
「ぱ、ぱ、パスワード入れれば大丈夫ですよね?!」
いや、知らん。
つーか、根本的な原因はそういうことじゃ解決しないさ。
わかってたけど、答えなかった。
お姉さんに責任はないし、このお姉さんにいろいろ言ったところでどうにもならないのはこれまでの怯えかたを見れば十分すぎるくらいにわかってる。まー、運が良ければ再起動で治っちゃうだろうけど、運がいいことなんてめったにないもの。再インストールは一日仕事だ。
早速、お姉さんはパスワードを書いた紙切れを持ってきた。
なんちゃらエラーのことはとっくにアタマから消えているみたいだ。
自分に出来ることが見つかったから救われたのか、忘れっぽいだけなのか...
パスワードを入力し終わったお姉さん。
「じゃ、これで[リターン]を押してと...」
当然のごとく、[ページを表示できません検索中のページは現在利用できません。webサイトに技術的な問題が発生しているか、ブラウザの設定を調整する必要があります]とかいう長ったらしいインフォメーションが表示された。
「あー、ダメですねぇ」
「...どうしてかなぁ。 ね、パスワード間違えてないですよねぇ。」
だから、知らないって。
「ほら、ね?」
いや、見せるなって。
ボクの気持ちは8割方出口に向かおうとしていた。
その時だ、ひとりの男が入ってきた。
ぼさぼさヘアーに黒縁の度の強そうな眼鏡。エンジニア風の風貌。
この季節にショートパンツに半袖じゃなけりゃ、ボクもお姉さんも怪しまなかったさ。
「どうしましたぁ?」
男の声が店内に響く。
「パスワード、間違ってないはずなんだけどなぁ....」
「どれどれぇ あちゃー、またこれかぁ! こないだ修理したばっかりですよぉ」
「そ、そ、そうなんですか?」
「ここのね、レジストリのねぇ、なんとかかんとかがどーのこーのだからねぇ...」
ボクとお姉さんの頭のOSは予想外のトラブルに見舞われた。
キミハ イッタイ ナニモノ??
エヌテーテー ノ シャイン??
ソレ アタラシイ セイフク??
コナイダモナオシタッテ ??
....はっ!
ボクの頭のOSは一瞬フリーズしてしまった。
ボクはお姉さんに「難しそうだからまた今度にします...」と別れを告げた。
残された[お姉さんOS]は、再起動ぐらいで治るだろうか...
このお姉さん、運のいい人だといいけど。
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