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オヤジ、墓穴を掘る
先日、新聞にある少年の記事が載っていた。
今、手元にその新聞がないので正確な記述は出来ないが、こんなかんじである。
18才の家元賢太郎君はごく普通の少年である。が、彼はクララオンライン*1という株式会社の社長でもある。年間数千万円(?)を稼ぎ出す会社だ。その彼が今、会社が始まる前の数時間を利用してコンビニでアルバイトをしている。何のためかというと、若くして大金を稼ぎ出してしまった自分がお金の大切さを取り戻すために、汗水流してみようと思ったらしい。コンビニには数百円を握りしめてパンを買いにくる浮浪者がやってくることもある。そんなときに、改めてお金のありがたみを実感するという。彼のように若くして大金を得た人は海外にこそ多いが、日本ではまだめずらしい。
で、彼の メ若さ モが災いして取引先との打ち合わせでポシャることもあるという。
要するに、「若いヤツが社長をしている会社はろくでもないに違いない」というオトナ特有の論理のせいらしい。
ボクは思った。
彼がバイトをする必要なんてないのではないだろうか。
彼は本当に新聞に書いてあるようにお金の重みを知りたかったのだろうか。
もしかしたら、「若くて無知な社長」と言われないための防護策を講じる手段であり、「社会勉強をして使われる立場の考えもしっかりと持っていますよ」と言うためのパフォーマンスなのかもしれない。
いや、ひょっとしたら人を使う立場にいる自分と、人を使う立場にない一般的な同世代のコたちとのギャップに不安を抱いていたのだろうか。それを埋め合わせるためにバイトをして、彼らと同じ目線に立ちたかったのかもしれない。
彼のビジネスの成功は、彼自身の力によるものが全てとは限らない。
環境が揃っていて、運が良かったのかもしれない。
が、どうであるにせよ、彼は仕事をして、お金を稼いだはずだ。コンビニでバイトをしている同世代の少年少女となんら変わりはない。仕事の内容が違うだけだ。
年間数千万円を稼いでいる今の彼にとっては1円ははした金かもしれない。しかし彼だって数十万円か数百万円かの重みは知っているはずである。「お金の重み」は人それぞれだし、その時々で変化するのも当然なことだ。
10万円で買った高級ブランドナイロンバッグの価値を理解する人としない人がいるように、お金の価値は変化する。誰しもが1円を同じ重さと感じるとは限らない。
彼の会社はレンタルサーバ会社である。わかりやすく言えば、インターネットにHPを作るためのハードディスクを貸してくれているコンピュータ屋さんだ。
これはe-ビジネス(ECとも言う)には必要不可欠な重要なものなわけで、Kook's HIGH HATだって、彼の会社ではないものの、レンタルサーバの上に存在する。
それよりも、ボクが驚いたのは「若い社長のいる会社なんて...」というオジサンの態度だ。彼はビジネスを成功させたのである。同じビジネスマンなら(しかも彼よりも何十年も生きているオトナならなおのこと)「若い社長なんて」という発想はナンセンスだ。自分の息子くらい若いヤツと対等にビジネスをしなくちゃならないことがそのオジサンには悔しかったのかもしれない。そこでオジサンは考えた。(たぶん)
「な〜に、こいつはたまたま運がよかっただけだ。俺なんかこいつが生まれる前から第一線で仕事を続けてきたんだ。今だって第一線で活躍してるんだゼ! 今の日本があるのは俺たちががんばったからだ。俺はモーレツ社員として名をはせたのだ。そんな俺がこんな若造に頭を下げられる訳がない。お前が俺のところに来るのが筋だろ!実力じゃない「運」なんかで仕事が出来たってそんな人間が俺よか偉いはずがない!
負けてたまるか!!
ここでおじさんは墓穴を掘ってしまう。
「運がよかった」ってのは、ヒガミ以外のナニモノでもない。
でもね。
「運」というのもは万人に同じように降りそそいでいる雨のようなものである。
その小さな一粒は、両手をいっぱいに広げていなければ感じることが出来ない。
手のひらを上にして準備をしていた人だけがその運をつかむことが出来る。
運をつかめる人はつかむための努力をし、つかむためのセンスを持っている。
オジサンはセンスがなかったってだけのこと。運だ!運だ!って言えば言うほど自分の出来の悪さを誇示しちゃってるってことに気づいていない。
それに気づいていりゃ「若いにの...」なんて発想は生まれない。
っていうか、若いのになんなんだよ!
若くたって賢いヤツは賢いし、勤続40年だろうが1000年だろうが、バカなヤツはバカのままだ。
自分の気づかなかった「運」をつかみ、モノにした彼に「お見事!参りました」って言えるほうがオ・ト・ナではないか。
あれ?オトナは得意なんじゃなかったか?
『長いものには巻かれる』って。
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