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僕はサッカー(を観るの)が昔から大好きなんですが、サッカー場にやってくる大勢のファンの方々は顔にペイントしてますね。ワールドカップなんかだと、顔に国旗を描いたりしてます。応援してるぞ!っていう気持ちの表現ですね。顔全体を塗っちゃってる人も見かけます。やっぱりあれは、大勢のサポーターの中でも自分は特に熱狂的に気持ちが入ってるぞ!っていうことだろうと思います。「サッカー場にサッカーを観に来ているときの自分」の演出です。これはサッカーファンでなくても、本当はだれでもやっていることですよね。決して特別なことではありません。TPOに合わせてスーツを着たり軽装に着替えたりするのと一緒です。ライブに行くならTシャツで行きますが、オペラの場合はドレスアップして行ったほうがいい気分で楽しめます。
では、本当の自分はいったいどこにいるのでしょうか?
顔に国旗を描いてる自分かもしれないし、スーツ姿かもしれないし、Tシャツ姿かもしれません。
みんさんは少しずつ自分の体をデザインしていると思います。ヘアスタイルを変えたり、ヘアマニキュアなんかも、自分をデザインすることのひとつですよね。
自分を演出することは大事なことだと思います。理由はやっぱり楽しいからです。もちろんTPOに合わせるというのも大事ですが、せっかく演出するからには、一番大事なのは、自分らしさに合わせること、なりたい自分に自分を合わせること。個性的な人というのは魅力的に見えるものですものね。
ちょっとここで、自分をデザインする他の方法についても考えてみたいと思います。衣服とはまったく別の、ボディアートについてです。(『メッセージ文化』)
ボディアートの王様といえばタトゥーですね。豊富な色彩、デザイン、文字を駆使しますから表現力でこれに勝るものはありません。絵画であると同時に、具体的で個人的なアイデンティティそのものも表現できます。 ただし、彫るのがまず痛いですし、簡単には消せませんので、よく考えて、一生背負っても飽きないものを、と準備が大変です。
ピアスというのもあります。部位によっては強烈なインパクトがありますし、ワイルドさの表現だったり、セックスアピールだったりします。ピアスの弱い点は、メッセージ性がないことと、やっぱり痛いですから勇気がいる、ということでしょうか。
ヘンナ(ヘナ)という、肌を染めるタイプのボディアートもありますね。痛くないし、2〜3週間すれば落ちてしまいますからずいぶんとお手軽です。褐色系のアースカラーのみですので色彩の面で弱いですが、エキゾチックな自分を演出するツールだと思います。
ここで気づくのは、ボディアートのように半永久的または長期にわたって変更できないものと、マニキュアやメイクのように日々とりかえられるものがあるという点。それから、ワイルド、セクシー、フェミニンなどのようにカテゴリ主張をするものと、分類のできない個人的なものがある点。
そうです。すべてがファションの延長線上にあるように見えますが、ファッションとしての自分の演出はカテゴリ主張であり、それとは別に、個性が産み出すものもあるということです。
本当の自分はいったいどこにいるのか?
答えは、自分をカテゴリ分類することでしょうか?それとも個性的な自分をデザインすることでしょうか?
僕は、ポップで、楽しくて、恒久的なのに好きな時にとりかえられて、個人的で、タトゥーと同じ表現力があるものを探しているんですね。いいとこ取りのぜいたくです。
なんとか肌をデザインしたい。体そのものをデザインしたい。肌にもっとも近いもの。そして僕がたどり着いたもの。Tシャツ。
Tシャツは、素肌に一番近いからこそ、個性的でなければなりません。一番シンプルだからこそ、印象的でなければなりません。カテゴリ主張ではなく、個性の主張がしたい。
僕は、Tシャツは絵を描くためのキャンバスだと思っています。個性を描くためのキャンバスです。Tシャツはデザインがすべて。無限の可能性を持っているのです。
Tシャツが下着でしかなかった時代は終わり(『Tシャツの歴史』)、インナーとしてもアウターとしても付加価値が求められるようになりました。色彩、プリント、すべてにおいて自由度がぐんと広がったわけです。ひとりひとりの個性のために、できるかぎりの選択肢を用意したい。だから豊富な色数にこだわっています。(半袖Tシャツ自由に選べる34色・長袖Tシャツ全16色・トレーナー自由に選べる15色)
もちろん、Tシャツの色だけではありません。そこに個性を描くための絵の具の色は無限にあるのですから。○○のような色、△色と◇色の中間、などのようにご自分の言葉で説明してくださるデザインの色を、丁寧にインクで再現しています。(プリントインクWhich is your favorite color?)
また、せっかくの個性が、ひび割れ色褪せてしまっては大変ですから、プリント方法もシルクスクリーンプリントだけを使っています。
メッセージは、人を動かします。人は、メッセージを発した人間をけっして忘れないものです。
これは大きな現象ですが、たかがTシャツも然り。おもしろいメッセージ性を持ったTシャツを着ている人というのは印象に残ります。
「その絵、なんの絵?」「何書いてあるの?」僕も尋ねるし、反対に尋ねられることもあります。なんでもない短いやりとりですが、ある人物の個性に対する興味のはじまりです。
僕は、いつもネクタイを締めて同じ歩調で歩くようなインパクトのない生き方はしたくないと思っています。人がびっくりするようなすごい個性をぶちまけながら生きていきたい。平凡ということに価値はありますが、それを求める前に、非凡を求めて生きたいなぁ。
そんな僕にできることは、スピリットをデサインすること。
そのスピリットは、誰もが持っている反抗心(『punk philosophy』)であり、アイロニーであり、また、均一な日常の中に思いもよらない非日常のかけらを投じるものにしたいと思っています。まるで、囲いのなかで生きようとするオトナたちへの皮肉です。
僕がTシャツをデザインするとき、いつも考えることがあります。
ポップでなきゃ。強くなきゃ。それからそこに、おもしろさと、皮肉と、僕たちみんなの反抗心のかけらを、全部少しずつ混ぜて完成させたいと思っています。
もしもあなたが、僕と同じように何かを表現したがっているなら、そして僕が描いたデザインとは異なる個性をあなたが表現したいなら、あなた自身がデザイナーになることだってできるんです。あなたが描いたあなたの個性でオリジナルTシャツを制作する。それをお手伝いできることは僕の大きな喜びです。(うしろまえ事業部)
ヘアスタイルを変えるように、顔に国旗を描くように、Tシャツを自分をデザインするための道具として使う。Tシャツという肌にタトゥーをいれて、個性を着る。そう、Tシャツのデザインは、メッセージこそがすべて。
Tシャツという個性へのこだわりを大事にしたいと思います。
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